NPO活動が盛んなアメリカでは、NPOを通じた都市の再開発・再活性化は都市政策の根幹に組み込まれており、それを支える制度も時間をかけて整備されてきた。その核となるのがCDC(Community
Development Corporations)である。
CDCを支える諸制度として、1974年には都市圏の荒廃に対応するべくCDBG(まちづくり総合補助金)が創設された。77年には「地域再投資法」の成立により低開発地域に対する民間資金投資が制度的に担保された。また、80年代以降、連邦政府の補助金政策が後退する中で、CDCに資金を提供する民間財団や、資金調達にかかわる支援を行う支援NPOなど、CDCを支える制度的インフラが新設された。これらの諸制度や支援機能のセットにより、官民の資金がNPOを通じて地域に流入し、その資金が地域に新たな経済活動と雇用を生む好循環が形成されている。
成熟したNPO社会といえるアメリカに対し、イギリスは国家による手厚い福祉政策から、民間への権限移譲を行っている。最大のポイントは、NPOを通じて地域に資金が還流する制度的仕組みが導入されている点である。具体的には、「包括的都市再生予算(SRB)」「都市再生パートナーシップ」などの仕組みによって、NPOが市民参加型の事業を行うインセンティブとなっている。
こうしたアメリカのCDCやイギリスの都市再生パートナーシップにおいては、NPOが単に行政サービスを「肩代わり」するのではなく、NPOを通じて官民の資金を地域に投入し、雇用と経済活動を生むという視点が明確になっている。
これらの英米の取り組みに共通するのは、1980年代の行政改革を通じて民間を含む「現場」への権限移譲を徹底した点にある。日本ではこの点の改革が不十分な結果、認可・監督の行政システムから抜け出しきれていない。NPOが都市政策に関わる活動のポテンシャルを発揮するためには英米のようにNPOがまちづくりに関わりやすいような環境を整備し、情報開示と事後チェック型の行政システムに転換することが必要である。 |