| 社会資本のストックは蓄積されていくものであり、その整備に加え、既存ストックの維持管理を限られた財源の中できめ細かく対応していくのは行政にとっても非常に困難なことと推察される。
一方、市民は社会資本に対して、日常生活における利用者であり、社会資本を見る目の数、見る回数は、行政の比較にはならない。身近な社会資本について、その役割であるいわゆる「公共の福祉」の増進は、行政だけの課題とするべきではないと市民自身が感じ始めている。つまり、「社会資本は行政が管理する行政の所有物である」という意識から、「市民が自らの手でデザインするものである」という意識への転換が始まっているのである。
これまで行政の手がなかなか届かず、市民側は不満を感じつつもそこは行政の領域であると考え、いわばエアポケット的な状態となってきたことも少なくない。常日頃利用している歩道の段差や勾配、通行の邪魔となる路上の電柱などその例といえるだろう。様々な思考をもった市民がいる中で、NPOは市民と行政とをつなぎ、中立・公平な立場で咀嚼(そしゃく)し、市民と行政の間に存在している隙間を埋めていくなど、行政への提案や合意形成の一端を担うことも可能である。
さらには、より具体的に行政からの委託事業として社会資本マネジメントを担っていくことも可能である。NPOが行政から委託を受けて行う社会資本マネジメントとは、社会資本のユーザーとしての立場から、社会資本の計画や維持管理にNPOが関わることである。 |