| NPOが行政から委託を受けて社会資本マネジメントを行う場合、NPOは単なる行政の下請けではなく、地域の多様なニーズに応えながら、市民の力をコーディネートする総合的なプロデューサーとしての役割を果たし、行政とも対等なパートナーシップを結ぶ関係となることが重要である。行政と民間事業者との契約の多くは「行政が求める仕様に適応した成果物を納入する」というものであるが、NPOとの契約関係には「目標を共有できるパートナー」という視点が不可欠である。
NPOと行政のパートナーシップについてはすでに様々な議論がなされているが、原則は@非同一性(NPOと行政という異なった存在による協働作業)、A対等性(それぞれの役割が明確にされ、その役割を担う責任と権限を持つ)、B時限性(一定の期限あるいは限定された協働作業の存在)をNPOと行政がともにしっかり認識することである。
パートナーシップとは、非営利・公益活動の分野における共通の課題に対して、NPOと行政が目的意識を共有し、対等な立場で協力しながら事業を推進していく「新しい公共」を創造するためのシステムであり、単に行政の仕事をNPOが請け負うというものではない。またNPOと行政は互いに自立して尊重し合うことが重要であり、NPOは団体のミッション(使命)に基づき事業が遂行できる体制をとらなくてはならない。
これまで市民にとって社会資本は行政のものという認識であった。しかし、NPOと行政がパートナーシップの確立を図ることによって、社会資本は「新しい公共」として市民の手に取り戻されることとなる。市民にとっては自身の手で自分の地域をデザインするチャンスが広がり、行政にとっては、地域のニーズに合った社会資本整備やきめ細かいマネジメントの提供が可能となる。社会資本マネジメント分野における市民、NPOの進出が「新しい公共」を創りだすことになるだろう。(図4参照) |