4.社会資本マネジメントにおけるNPOと行政のパートナーシップ
(3)パートナーシップによる新しい可能性
 

 以上のような課題を少しずつ克服することができれば、NPOと行政の新しいパートナーシップによって、市民は自らの手で自分たちの生活する地域をデザインする可能性が広がることとなる。

 例えば、社会資本整備にともなう景観整備や住宅地などの身近な地区道路の計画などはもちろん、ユニバーサルデザインのコンサルティングなど複数の分野にまたがるような専門知識が必要であったり、地域の視点が必要であるような社会資本の計画づくりの段階に関わることができる。

 委託事業に関しては、民間施設も含めたバリアフリーチェックやバリアフリーマップの作成、行政と住民とのパートナーシップによる公園管理、NPOと行政の連携による「リバートラスト」に代表されるような河川環境の再生事業など、コミュニティビジネス主体としてNPOを捉えた事業委託が進むことが期待される。

 また、都市部におけるコミュニティサイクルを中心とした「自転車の駅」構想や中山間地域における電動車椅子を活用したモビリティー確保、同じく中山間地域における「ローカル・ドゥ&シンクタンク(5)」の設立など、コミュニティ・シンクタンク機能を持つNPOによって新たな政策提言が可能となる。

 駅前広場や道の駅、パークロード、バス停など多くの人々が利用する施設の管理や運営のプロデュース、高速道路下や鉄道高架下、河川敷の防災用サイクリングロードなどの空間利用、歩行者天国、街路樹、ストリートファニチャーのデザインなどくつろぎ空間のプロデュースなど、有効に利用されていない空間をNPOのアイディアによってよみがえらせ、より利用しやすい空間にかえていくなど、実際に生活する住民の視点による社会資本のマネジメントが実現し、ここに「新しい公共」が創り出される。

 このようなアイディアを実際にモデルケースとして社会実験することも重要である。自分たちが毎日生活をする場所や地域全体をデザインし、プロデュースできるようなシステムのモデルとなるだけでなく、NPOと行政とのパートナーシップのモデルともなるだろう。

 本提言が目指すのは市民が自分たちの地域を自分たちでデザインし、プロデュースできる社会である。

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